M0009 幸福について

今回は幸福についてのメッセージです。


幸福というものについて少し話をしましょう。

幸福というものはとても難しいテーマです。

幸福とは何か。
これはなかなか定義するのは難しく、様々な人が様々なことを幸福として定義してきました。

まず、人間のなかの食欲、性欲、 睡眠欲を満たすことが幸福と言うこともできます。

次に衣食住、衣類、食物、住居を整えることが幸福と言うこともできます。

さらに仏教の言う四苦八苦の苦しみ ─ 生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病いの苦しみ、死ぬ苦しみ、愛する人と別れる苦しみ、嫌な人と会う苦しみ、欲しいものが手に入らない苦しみ、欲望が溢れて止まらない苦しみ ─ これらの苦しみを乗り越えることが幸福だと言うこともできます。
※赤石注:四苦八苦とは、生、老、 病、死の四苦に、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦を合わせたもの。人生の苦の総称。

こうした幸福を求めているので、現世利益を求めて宗教やスピリチュアルな教え、占いに頼ることがありますし、修行して霊的な体験を求めることもあります。

しかし私は思うのです。
人間がこうしたことを幸福として求めている限り、幸福にはなれないのではないだろうか と。

こうした幸福は、ほどほどに求めるべきで ある程度で満足するという人生観、価値観を持つようにした方がいいのではないかと。

人間には理性があるので、どうしても一つの教えですっきりさせたいですし、矛盾は好きではありません。
理論的に整合性がある方が理解しやすく、心も落ち着きます。

ですから、ほどほどでいいなどという考えはよく分かりませんし、すっきりせず、落ち着きません。

ですが、私が挙げた三つの幸福について、ほどほどでいいということでいち早く満足して、感謝していくような人生観を持てたら、どれほど多くの人が幸福になるでしょうか。

私はそれほど幸福を求めなくてもいいと思うのです。
ほどほどでいいのです。

そして、あまり日常において自分の幸福について考えるのではなく、自分にできる他者への愛について考え、できることならそれを実践していくことが大事なのではないかと思います。

中には今日の食べ物もない人もいるでしょうし、今日、生命を失う人もいることでしょう。

たとえそうした状況でも他者の幸福を祈ることはできます。
社会の幸福を祈ることはできます。

それができればよいのでないでしょうか。

もちろん政治的課題、経済的課題、 教育的課題など、やるべきことはあるでしょう。
それも大事ですが、根本においては個人の人生観が大事であると思うのです。

私は幸福について今そのように考えています。

はじめに、一般的な幸福についての定義が三つ挙げられています。

まず、食欲、性欲、睡眠欲のいわゆる三大欲求を満たすこと。
特に食欲、睡眠欲は生きていくために必要な欲求を満たすことになります。

次に衣食住、衣類、食物、住居を整えること。
これは物質的によりよい暮らしを求めると言ってもいいかもしれません。

そして仏教の言う四苦八苦の苦しみから逃れること。
生老病死は肉体的な苦しみですが、愛する人と別れる苦しみや、嫌な人と会う苦しみなどは精神的な苦しみでしょう。

こうした幸福を求めていると、人は宗教やスピリチュアルな教えや占いなどに頼ることがあります。
そうしたものに頼ること自体が悪いわけではないと思います。
自分の力ではどうにもならないことで苦しんでいる時に、他の力に頼ることも必要です。

ポイントは、現世利益を求めるだけでは、結局は幸福になれないのではないかということです。

なぜならば、現世利益のような幸福には際限がないからです。
これさえ手に入れば満足するということは、実際には難しことではないでしょうか。

簡単な例を挙げれば、一度、美味しいものが食べたいという欲求を満たせば、その後はもう美味しいものを食べたくなくなるかと言えば、そんなことはありません。

便利なものを何か一つ購入したら、もう他の便利なものに必要を感じなくなるということもないでしょう。  

ですから、こうした幸福はほどほどに求めて、ある程度を手にしたらそれで満足するということが大事であると語られています。

すぐにはそうなれなくても、少なくともそうした人生観、価値観を持つように心掛けた方が、結局は幸福になれるのかもしれません。

そしてある程度で満足したなら、次は感謝をし、他の人を愛していくという人生観を持つよう心掛ける。
そうすればきっと自分も他の人も幸福になることができるでしょう。

自分の幸福を求めてもゴールはなく、これで満足ということはなかなかありません。

でも、他の人への愛について考え、実践していくことができれば ─ もちろんこれにもゴールはありませんが ─ 少なくともその過程でも幸福を実感することができます。

誰もが人に親切にしたり優しくしたりすることで、心が温かくなり幸せな気持ちになるという経験がおありだと思います。

中には、今日を生きることで精一杯の方、今日で生命を失う方もいらっしゃるかもしれません。
それはほんとうにつらく苦しい状況だと思います。
他の人への愛を実践するといっても  何ができるのだろうと思われるかもしれません。

しかしメッセージでは、たとえそのような状況であっても、他者の幸福を祈ったり、社会の幸福を祈ったりすることはできると語られています。

実際に自分がそうした状況に置かれた時に、それができるか、私も自信はありません。

それでも、もしそれができたなら、きっと自分は幸福な人間だと思えるでしょう。

それができる人間になるために、まずはこうした人生観を持って生きていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

引き続き、ご訪問いただけると幸いです。

赤石風斗

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